羽が生えた事と深爪した事、さらにはシルバーリングが黒くなった事についての繋がり、関連、物語性について考察してみる。

羽の生えた少女

これは一人の人間の戦いの歴史なのかもしれない。


羽が生える。


これは一般の人間にはあり得ない現象である。


人間には発生する現象ではなく、これは想像上の生き物に付随する発生であり器官である。


要するに、一人の少女は天使になった。


これ予測される中で最も妥当な回答であることには疑いの余地はない。


一人の少女が天使になる。なぜか。


一人の少女に羽が生える。なぜか。


本来ならば、天使が天使を増加させれば良いことである。きっと今までもそうして天使は天使の種を保存してきたはずである。


でもそうしないという事にはきっと何か理由がある。


そう、天使が急激に減少している事に間違いはなく、その減少の理由は争いによるものだろう。



今、天使と悪魔との争いに、一人の少女が巻き込まれた。

変化と日常の崩壊

少女は驚いた、代わり映えしない日常の中で急に背中に出現した翼に。


少女は慄いた、これから起こるであろうおぞましい争いへの恐怖に。


少女は絶望した、今までの幸福な日常を失う事とこれからの自分に待ち受ける未来に。



数年後。


少女は第一線で武功を上げる、有名かつ有能な天使へと育っていた。


人間が遥か昔から天使に憧れ天使の絵を描き親しまれていたのには理由がある。


人間と天使の構造には似通った部分があり、親和性が非常に高かったのだ。


だからこそ、天使は人間の少女に天使界の未来を託した。


天使の能力を存分に使用できる少女。


現実色に鍛えられ研ぎ澄まされて、天使にはできない行動、決断、独創性を発揮する少女。



天使の世の中を大きく変えたのは、ちっぽけな一人の少女であった。




そんな少女の活躍により、わずか一年程度の時間で天使達は悪魔に対してほぼ確実に勝利できる状況にまで歩を進めていた。


天使達は湧き上がり、まだ完全に勝利が確定した訳ではないのに、天使の今後、悪魔の処遇についての議論が盛んに行われていた。

天使、思いがけない失墜

だがしかし。



「ほぼ」は「絶対」ではないという事をこれを機に天使達は大きく思い知らされることになった。


あいつらは、なんか外見も綺麗だし、羽が生えてフワフワ飛んでいられるから、地に足のつかない空想的な理想的な考えばっかりに走る癖があるんだよな。



そう、なんやかんやで天使達は悪魔に形成を逆転され、「一人の英雄である、かつて少女だった女神は囚われの身になった。」悪魔がたむろする檻の中へと収監された。



深爪した原因はそこにある。



女神は人間界にいる時にはまだ学生で、気心の知れた仲間達とコミュニケーションを取ることは得意だったが、あまり深く知らない人間に対して社会性を伴った態度をもって他人と仲良くする、という行為が得意ではなかったのだ。


そして、その時の感じで天使界へと連れされたので、社会に出るための、


  • マナー講座
  • 初対面の人と仲良くなるための会話
  • 偉い人へのお酒の注ぎ方
  • 自分と相手との距離感のとり方
  • 言葉遣いなど


そんな素養を身に着けてはいなかった。


悪魔側も結構気を遣って話しかけてくれたりはしたのだが、女神はキョドってしまい、変な態度と発言を繰り返したが故に、次第に檻の中へと引きこもることになった。


檻の中では、一日中YOUTUBEかニコニコ動画を見るくらいしか暇を潰す方法がなかったので、ストレスが増えて、イライラしながら爪を切ったらなんか深爪した。

「天使の戦争の代償」による就職の弊害

悪魔の進行が強まってから数年後、天使も以前の調子こいた考えを反省し、地に足の付いた堅実な思考で戦いを進めていたおかげで、戦局を巻き返していた。




しかしながら、数年の時間が流れていた。


女神が檻に収監されて数年。


少女が成長したといっても、まだ青春の盛りであった。


そんな貴重な時間を数年無駄にした。


ようつべとニコ動しか見てなかった。



いまさら助けられた所で、勉強もロクにしてないし、悪魔との争いが終わったら、人間界に戻るにせよ天使界に留まるにせよ就職しなくちゃいけないのに、コネもないし就活もしてないし、そもそも働きたくもない。


結婚しようにも、今までそんな機会もなかったから簡単ではない。



つーか、天使と人間のハーフっていうのがレア過ぎるから敬遠されがちで疲れるし、戦闘能力が高いからモテるなんて理屈は女子の教科書にはない。


あらゆる武功を立てて、英雄扱いされようが、女神は婚活という世界の中では酷く弱者であったのだ。



そんなこんなで自分への境遇への恨み、戦争への徒労感と多くの人が傷つく事への悲しみ、そして何より自分の人生プランの崩壊。


あらゆる対象への怒りが爆発して、女神の真の力が解放された。




その時に一緒に女神の体が白い光を伴い爆発したので部屋の中にあったシルバーリングが加熱され黒くなった。
(別に恋愛関係にある男性がいた訳ではないが、見栄を張らなくてはいけない立場であったのである)



その後は、もうなんか色々大変だった。



そんな事をaikoさんは歌いたかったのではないだろうか。