イロトカタ

純然たるイロトカタです


「好きな事で飯を食う手段」って広告があったから、クリックはしないけど考えてみることにした。

飯を食うのが好きな人が飯を食う事で飯を食う。

好きな事で飯を食う。


「食べるのが好きな人がフードファイターで食っていく」みたいなのが、一番理想的な形なのだろうか。


「食べる事で食っていく」字面だけ見ると摩訶不思議である。


しかし、これはこれで何か一つの光明を見いだせる気もする。


「食べる事という行為に価値を生み出して」それによって金銭を得る。それがフードファイターである。つまりは目的そのものに価値を創出する所がこの職業の面白い所である。



大金を使う光景を視聴者に見せつける事で再生数を稼ぎ、大金を得る人がいる。


ゲームをやる風景で視聴者を楽しませる事で広告を見せて、大金を得る人がいる。


そんな現代の花形の前身となる姿がフードファイターに凝縮されているように見て取れる。



要は目的と手段が重なり合っているのである。


おそらく昔は、この両者は一切別のものだった。


「これほどまでに汗水垂らして苦労したんだから、今こんなに幸福な思いができているのだ!」


これが昔の価値観だったのではないだろうか?


無論、現代でもそういう価値観を持っていて、「趣味や遊びを仕事にする人」を断固拒絶する人もいるだろう。それ自体はなんらおかしい事ではない。


少なくても、今ここで私が言いたい事は「好きな事をやっているからお金を稼げているのではなく、他人の願望を擬似的に叶えてあげる、という点に価値が存在するから、目的の達成が価値を産んでいるのである」というケースが圧倒的に多い、という話だ。

なぜフードファイターに価値が出るのか?


それは、大衆の「過食願望」を満たしているからである。

  • ダイエットをしていてたくさん食べる事ができない。
  • 病気で食事制限を設けられている。
  • 好きな物を好きなだけ詰め込むだけの胃袋がない。

理由は様々だけれども、その背景には「やりたいけれど、できない」という気持ちが共通して存在する。


フードファイターは、大衆の隠れた願望を満たす事によって価値を発生させているのである。


さて、この理屈に倣って先程の例を考えてみる。

大金を使う光景を視聴者に見せつける事で再生数を稼ぎ、大金を得る人がいる。


「自分には大金がないので、大金が使えない。でも大金を使いたい」


この願望を叶えられないから、youtubeやらなんらやらの動画で、その光景を疑似体験することによって自分の溜飲を下げる。そこに価値がでる。


ゲームをやる風景で視聴者を楽しませる事で広告を見せて、大金を得る人がいる。


「自分には時間もゲームスキルもゲームを楽しむ能力もないので、ゲームを楽しめない。でもゲームを楽しみたい」


この願望を叶えられないから、以下同文です。

結局は、お客様の夢や理想を「代行」するという商売である

よって好きな事で飯を食べる事ができる人は、好きな事で飯を食いたいと思っている人の願望を満たすことで、それを達成する。


つまりは大衆の欲望を体現する事によって、実現する。


もっと言うならば、「自分の好きな事」ではなく「大衆が好きだと思う事」を実際に行う事で「できないけど、やりたいから、せめて疑似体験したい」という需要に答える、という事だ。


その手段で成功したのならば、その理屈をすり替えて「僕は好きな事を突き詰めていったから成功したんです!」という主張を行い、大衆の「好きな事で飯を食いたい願望」を刺激して金銭をせしめれば良いのである。


「好きな事で飯を食う手段」ってのは「理想を売る商売」「夢を売る商売」なのである。
(まぁ疑似体験だし、理想や夢を掴ませるつもりはないけどな)


でも、本当に好きな事をやって飯を食う手段ってのもあるだろうな


ないとは言わない。でもそれは運次第だろう。もしくは途轍もない才能がいる。


少なくても、ロクに才能も努力もないのに、この手の煽りを真に受けて、他人の言う事を鵜呑みにして、無思考のままに流された所で誰かの養分になる事だけは確かだろう。



「好きな事で飯を食う」


理想的な言葉である。


だからこそ、虚飾や詐術が存分に活躍されてしまうのだけれども、だからと言って「甘い言葉は全てウソ!」と言って世界に絶望して生きていくのも無様である。



美味しい話はこの世に確かにある。


だが、美味しい話に擬態する商売もたくさんあるって話である。


本当に「好きな事で飯を食う手段」ってのを模索するのであれば、「好きな事」をたくさん増やすって事と、「商売の種類と方法」を数多く収集する事から始まるのだろうな。と私は思う。


そのために、色々な事に手を出して、自分が好きになれる事を探す。

そのために、色々な事に手を出して、どんな商売があるのかを探す。


そうすれば、うまい具合に「好きな事」と「商売」が繋がるパターンだって見つかるのではないだろうか?


当たり前の事しか話せなくて申し訳ないが、これ以上の回答は私にはない。